ホワイトニングの清水歯科医院ブログ
歯根破折歯を救う
11日の日曜日、静岡市で開催された講習会に参加しました。
内容は、神経を抜いて差し歯にした歯に起こることがある、歯根が縦に割れてしまった場合の歯の救済法についてでした。
実は昨年、同じ内容を別の講師の先生により東京で受けており、私はその後臨床に於いて何度かこの方法で患者さんの歯根破折歯を抜かずに治療して、この方法の成果を実感していました。
今回地元での開催に加え、内容がプラスαされていたので参加申し込みをしていました。
講師の先生は開業40年で70歳になられる眞坂信夫先生で、昨年の講師の北大の菅谷先生も眞坂先生の方法を参考に研究されていました。
以前は歯根に亀裂が入ったり割れたりした歯は抜かなければなりませんでした。
噛めば痛みを伴い、前歯の差し歯は亀裂が開けば抜け落ちてしまうし、数歯が連結されていて脱落はしなくても、亀裂部分に菌が巣食い、この部分に膿が溜まって歯根を支えている骨が溶けていってしまうからです。
眞坂先生は18年も前から臨床において歯根破折歯を救う方法を実践してこられました。
この方法はスーパーボンドという歯科の強力な接着剤を使う方法です。
私も以前からスーパーボンドは歯周病の初期治療としてぐらぐらな歯の固定に使用していて、その接着力はかなりのものだと実感していましたが、昨年来スーパーボンドを歯根破折歯に応用して感じたことは、スーパーボンドが極めて組織親和性が良いということです。
スーパーボンドで接着した歯根の周囲では痛みも出ず、感染組織をきれいにすれば再び膿が出ることがありません。
眞坂先生は早くからこの方法を実践されていて、歯根破折を起こした歯の上にも自費のかぶせ物を施して何年ももたせていました。
ただし歯根破折を接着で救った歯は咬合圧のかかるブリッジの橋桁の歯にはなりえませんが、単独歯なら10年は保証すると宣言されるそうです。
問題のある歯を抜いてインプラントを勧めがちな昨今、患者さんにこういう方法を提案して患者さん自身の歯をもたせる治療がまずは第一の選択肢であるという、医療の基本ともいえる姿勢だと思います。
そしてまた、講習会を受けた私は「講習会って本当にありがたい」と思うのです。
だって長年試行錯誤や苦労を重ねた成果である方法を知ることができ、なおかつ、その方法で確実に成功しているという実証済みなのだから。