ホワイトニングの清水歯科医院ブログ

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ドイツの歯科医師来院

 

   先週、ドイツの歯科医師お二人が当院を訪れました。
   当院の患者さんからのご依頼で決まったことですが、日本に留学されていたドイツ人の娘さんのお母様が歯医者さんで、その方と、大学の同級生だったという男性の歯科医師の方が、日本を観光旅行で訪れる際に日本の歯科医院を見てみたいとご要望されたため、当院で良ければということで実現しました。日本の歯科医院の機材などを見たかったようです。
   当院が日本の歯科医院として一般的かどうかはわかりませんが、私も臨床に携わっている中で、あれば便利そうなものは経済的に許す範囲で徐々に揃えてきましたので、これらと比較してドイツではどんな機械や材料を使用して治療しているのか興味がありました。

   通訳を娘さんにお願いして、ドイツの保険制度などについても伺いましたが、私の解釈では、保険からまかなえる医療費は決まっていて、ある材料で治療するといくらいくら掛かる場合、保険でいくらかが補填され、それ以上は個人の負担になるというふうに受け取ったのですが、あとからネットで調べると、公的な健康保険制度と個人的に入る保険制度があるため、個人的に入っている保険のことなのかよくわかりませんでした。医療費削減対策として保険制度の見直しがあったようです。
   ドイツでは18歳までは年1回の予防的処置(歯石除去やPMTCなど)が無料で受けられ、子どもの歯科矯正には保険が使えるとのことで、日本よりも予防に力を入れている国策がうかがえました。

 一通り院内を見ていただいた後、お二人の医院のHPを院のパソコンで見せてもらいました。お二人のお名前で検索するとみることができます。
Dr. Ingo Thederahn
Dr. Gerburg Weiss

  
 背の高い先生がDr.Ingo(インゴと呼ばれていました)。身長は伺いませんでしたが、190㎝は超えていそう。私は154㎝です。
 Weiss先生の名字(ドイツ語書きでWeiβ)は英語のWhite(白い)だそうで、歯医者にもってこいの名前です。

           
 2年前に導入した小型滅菌器がドイツ製だったことがわかりました。この滅菌器導入により患者さん毎に使用した歯を削るためのタービン・コントラ類の滅菌が短時間でできるようになり、スタッフの帰宅時間も早くなりました。優れものです。


 これは寒天を温めてトロトロに保つ器械。当院での型採りはほとんど寒天とアルジネート(これも海藻の成分主体で、ピンク色の、くずもちみたいなもので、口の中で保持されると固まるもの)の連合印象というものです。ドイツではシリコーン印象が主体のようでしたが、Ingo先生は聞きなれない材料名をおっしゃっていました。何でしょう?


 これは真空状態で石膏を練る機械です。手練りより気泡が入らなくて均一に練れるため導入しましたが、日本製でMORITAの製品です。ドイツの歯科で有名な日本のメーカーはMORITAだそうで、当院に出入りしている歯科材料屋の担当者によると、MORITAの根管長測定器の世界シェアが大きいからゃないかということでした。当院の根管長測定器も新しくはありませんがMORITA製で、お二人もそれを見て反応されました。

  
 今年に入りデジタルレントゲンをバージョンアップして歯科用CTも撮れるようにしました。
 Dr.Ingoはこれを見て「欲しい」とおっしゃっていました。DR.IngoのHPにはマイクロスコープを使っての治療の画像が載っていましたが、私はルーペで治療するのにとどまっているため、次に私が導入したいものはマイクロスコープだと伝えました。

 
 ドイツの歯科事情に絡んだ話で、日本でも歯科大学の学生のうちの女子の割合が5割くらいに増えたと聞いたことがありますが、ドイツでは8割が女子だそうです。40年以上前私が学部を選ぶ際にも歯科は夜中に呼び出されることがないから女子にはいいよと言われましたが、ドイツではどういう理由からでしょうか?
 それにしてもお国柄でしょうか?お二人のHPの診療時間をみるとうらやましくなります。私の所の3分の2以下じゃないでしょうか?日本も歯科医院が多い現実からすればこうなってもいいはずなのに・・・。日本でも今働き方改革が起きつつあるので、そのうち歯科も診療時間が短くなっていくのかな。年齢とともに体力の衰えを感じている私としては現実問題として考えねばと思っています。

 一向(ドクターお二人と娘さんと当院患者さん)は、当院視察の前にはカラオケに行ってきたということでしたが、視察の後は回転寿司に行く予定だとのことでした。日本を楽しんでいかれることを願います。
 

 


shimizu-shika.info | 2017.06.24

認知症に対する認識

  以前私は、何よりアルツハイマー型認知症になってしまうのが恐ろしいという内容のブログを書きましたが、昨年11月23日にNHKで放送された「認知症の私からあなたへ」という番組を観て、認知症に対する認識や認知症になってしまうことへの恐怖感が大きく変わりました。

 番組の中で、アルツハイマー型認知症と公表している佐藤さんは「認知症は不便ではあるが不幸ではない」と言っておられました。アルツハイマー型認知症という診断を受け止め、衰えてゆく記憶力を補うべくケイタイやタブレットを駆使してぎりぎりまで自立した生活を送ろうと努力し、なおかつその生活を楽しんでいる姿に、認知症も一生つきあっていく病気の一つなんだという印象を受けました。

 他の番組でも、認知症を公表している40代から60代くらいの方が10人以上出演して、それぞれの体験や現在の生活を語っていましたが、共通して言えることは、認知症であることを隠さない、自分ができることと不得手なことを他人にもわかってもらい、社会や家族の一員として何らかの役に立つことに喜びを見出している、ということです。

 欧米など世界各国においても認知症対策として進行を遅らせる薬や食品の研究が進んでおり、脳を使いながら運動することが良いなどといった実証もされています。

 もちろん予防できるならその方法を実践すれば良いに決まっていますので、予防については認知症に関する資料を検索していただけば、認知症発症の原因となる項目が多数挙げられているので、そういった事柄に注意した生活を心掛けるようにしたら良いでしょう。

 認知症発症の危険度を増す歯科に関する項目としては、以前も触れたかもしれませんが、奥歯で噛む機能が失われることです。奥歯を失わないようにようにすることは勿論のこと、たとえ失ってしまっても義歯やブリッジやインプラントなどで噛む機能を復活させることが重要です。
 また遠回しに関連することとして、歯周病による全身疾患への影響も挙げられます。歯周病は糖尿病や脳梗塞などのリスクを高めるため、ひいては認知症発症のリスクも高めてしまいます。

 筋肉量が少ないと認知症になりやすいとも聞きましたので運動は予防につながります。つまり生活習慣病予防は認知症予防にもつながっていると言えます。

 それでもストレス等で認知症を発症してしまったら、悲観せずに、今回観た番組を参考に、まずは進行予防策を実践しようと思います。
 きっと今までの駆け足のような人生ががらりと変わり、生きている喜びを実感できる生活に変わるかもしれません。できないことが増える恐怖は拭い去れないかもしれないけれど、忘れてしまうであろうその瞬間瞬間を大事に生きようとするかもしれません。この世界のありとあらゆる生命や自然現象をいとおしく感じて毎日を過ごしていく、そんな余裕が残っていたら、認知症と付き合いながら余生を送るのも悲観すべきことではないと思いはじめました。
 


shimizu-shika.info | 2016.01.06

歯学部の同窓会

5月23、24日と連休にさせていただき、仙台に行ってきました。
5月24日に東北大学歯学部創立50周年記念の式典があり、前日の土曜日には各学年ごとの同窓会が予定されて、私の学年(12回生)も同窓会が久しぶりにあったので出かけました。

卒業後32年経つことになります。
72名卒業、数年前病気で亡くなった同級生が一人。(少ないほうだと思います。)
歳は取りつつも、こうして集まれる幸せを感じました。

年齢60歳前後というと一般企業では定年が近い歳でしょうか。
実際には医師や歯科医師はサラリーマンより年齢的に少し高齢まで働くようですが、歯科医として開業後30年近くも経つと、仕事に対する意欲は人それぞれという印象を受けました。
「昔からの患者さんも大勢いて機材も診療に困らない程度には揃っている。一通りの保険治療ができれば、歯科衛生士がメンテナンスを保険(あるいは自由診療)でやってくれる。それで十分経営が成り立つ。」
同級生たちが開業した30年から25年くらい前は現在より歯科にとっていわゆるいい時代でしたから、借金も早く返し終わり、後継ぎも歯科大を卒業させ、そろそろ後は子供に譲ろう、とか、あるいは後継ぎは居ないけど自分の老後は経済的に心配はないから、体力があるうちにどうやって医院を閉めようか、とか自分の判断で今後を見据える時期に来ていると言えます。まさに守りに入った歯科医となっています。

一方、今まさに歯科医業が面白くてたまらないという同級生もいました。
「熟練の技を持って患者さんに自由診療の提案をして実行し感謝されている。」
「多くのドクターを雇って大規模に医院経営をする傍ら、診療を快適にかつ患者さんにとってメリットの多い治療となるためのツールを開発している。」

この差はなんでしょう?考え方?生き方?

私は開業11年目。開業が遅かった分、開業後聴きたい知りたい講演会・講習会に可能な限り参加し臨床に役立ててきました。
まだまだスキルを上げなくてはいけないと考えています。
今一番導入したいと考えているのは再生医療です。とくに歯周病で骨が溶けてしまった歯根の周りに骨を再生させる手術を確実に成功させる技術があれば、自由診療になるでしょうが自信を持って患者さんにお奨めできると思います。
6月27・28日に開催される日本額咬合学会の学術大会でも再生医療中心に講演を聴いてこようと思っています。

50周年記念式典でも母校の素晴らしさを感じました。

1回生、2回生、3回生の先生方の中にはその道の権威として講師を務められる先生も多く、中でも私が最も尊敬するのは2回生の下地勲先生です。インプラントもされるけれど患者さん自身の歯の移植を積極的にされていて、いわば、今生えている歯を無駄なく活用して噛めるようにする、ということを実践されています。(実は昨年の12月7日にキャンセル待ちでようやく下地先生の講演会に参加することができました。私自身もできそうな症例では移植をしていますが、そのコツをうかがうことができて良かったです。)

東北大学はご存じのように総合大学で、医学部、歯学部だけでなく、工学部や理学部・農学部・薬学部など、理系学部だけでも多岐にわたっているため、研究分野でも連携がとりやすく、新技術や新製品の開発が盛んだとわかりました。
祝賀会で同じテーブルに静岡市出身(城内中→清水東高→東北大歯学部)の鎌倉さんという教授がいらして、私にご自分の研究のお話をしてくださいました。まさに再生医療にかかせない、骨になる新素材の開発だそうです。3年後くらいを目途に臨床に応用されるまでになるというので大いに期待が持てます。

長くなりましたが、同窓会は参加すべきです。
いい刺激を受けて、自分の人生もいきいきできます。つながりも大事だと思います。

 


shimizu-shika.info | 2015.06.10

噛み合わせの重要性と歯の接触癖

  今年も日本顎咬合学会の学術大会が6月(今年は14・15の土日)に開催され、私も14日の土曜日を休診にさせていただいて参加してきました。
 毎年プログラムを見ては、どの講演を聴こうか検討し、当日は会場である東京国際フォーラムの広い棟内をあっちからこっちへと足早に移動して興味ある講演を聴きまくります。
 今年も拝聴したい講演がたくさんありましたが、「オールセラミックス修復について」と「インプラント関連」、そして「下顎位(噛み合わせの状態のこと)」に絞って聴いてきました。

 その中で、下顎位のズレによって生じる全身の不定愁訴や顎関節の関節頭の変形など、演者の症例をスライドを観ながら聴くにつけ、いかに噛み合わせが重要かをあらためて感じました。

 数年前にも、噛み合わせ治療に力を入れて全国の患者さんを診ている高崎市の丸橋歯科クリニックに見学に行って噛み合わせ治療を拝見しましたが、それを臨床で実際に治療に取り入れるのは容易ではないと感じました。

 今回の講演ではズレの診断方法が具体的で、噛み合わせがずれているかどうかは見つけやすいものの、治療法は丸橋歯科の場合と同じで、大きなズレとなると矯正や被せ物の大規模な改造、インプラント、義歯の装着などが必要になり、簡単ではありません。
 ただ、一番最初の治療は共通していて、スプリントというマウスピースのようなものを装着して噛み合わせを変えていきます。それで症状がとれたら、そのような噛み合わせに持っていくのです。

 大きく噛み合わせがずれてしまう原因は奥歯を失うことや悪い姿勢(頬杖やうつ伏せ寝なども含めて)にあるようです。
 良い姿勢を心掛け、悪い態癖を直し、左右の奥歯でしっかり噛めるようにする、噛み応えのあるものをよく噛んで食べる、こういうことが噛み合わせを正しく保つために重要です。

 もうひとつ、肩こりや首こりなどの比較的軽い不定愁訴や顎関節の痛みなどは、ただ単に噛みしめや食いしばりを止めれば治ると言われます。

 たまたま6月18日に保険医協会の顎関節症の講習もあり、そこでも顎関節症の治療法についての説明がありましたが、日中に上下の歯の接触(噛みしめなんていう力の入ったものではなく、単に触れていること)をしないように心掛け、就寝時はスプリントを装着するだけで、ほとんど患者が顎関節の痛みや開口障害から解放されるということでした。(ただしスプリントは長期に渡って使用してはいけないとのことでした。)

 今朝のTV番組「ゲンキの時間」も噛み合わせについての内容で、噛み合わせが良くなるとスポーツで良い成績が出ることも実証していました。そして、顔を少し上向きにして(口が少し開いた状態になります)立った姿勢で、ゆっくり顎を閉じていき、1本でも上下の歯が接したところで、それ以上噛み込まないようにしたところが本来の正しい噛み合わせの位置だと言っていました。

噛み合わせは変化していくものです。少しの噛み合わせのズレなら、正しい姿勢で歯を噛み込まないようにしていれば正しい噛み合わせに近づいていくかもしれませんね。少なくとも歯の接触によって引き起こされている、顎や首、肩、頭の筋肉の凝りは軽減することが期待できます。ただしスポーツ時には安定した噛み合わせができないと力は発揮できませんが・・・。

日本額咬合学会学術大会で演者の先生が、「噛み合わせを治せば医科にかかる必要がなくなる」とまで言っておられましたが、歯科医師として、この言葉は重く受け止めなければいけないと感じます。
 



 


shimizu-shika.info | 2014.06.29

アルツハイマー病の恐怖から少し解放された!

 先日NHKを観ていたら、「アルツハイマー病をくい止める」とかいうタイトルの番組がはじまったので、メモとってまで見入ってしまいました。
なぜなら私にとってアルツハイマー病こそが一番の恐怖だからです。

健康のことはそこそこ気を付けているつもりです。食事や運動・睡眠しかり。多分癌の家系ではなさそうです。どちらかといえばポジティブ思考なのでストレスにも強いほうだと思います。
ですから私にとって、自分が知らない間に自覚無く進行してしまうアルツハイマー型認知症は、現状では何の対策もできない恐怖の病気なのです。
 

今回のNHKの番組は、アルツハイマー病の発症の過程の判明している部分をわかりやすく説明していたところがまず良かったです。アメリカのDIAN(ダイアン)研究チームが遺伝性のアルツハイマー病の家族を調べて発症の過程をつきとめたということでした。

認知症になりそうかどうかは脳を調べれば40代、50代でわかると最近言われていますが、それは、アルツハイマー型認知症では発症の25年も前から原因物質の一つであるアミロイドβ(ベータ)という蛋白質が脳内に蓄積されてくるからだそうです。
アミロイドβは神経細胞の老廃物で、神経細胞のシナプス(1つの神経細胞から他の神経細胞への連絡通路のようなもの)を傷つける作用を持つそうです。

そして発症の15年くらい前にはタウという物質が神経細胞の中に溜まってきます。タウはアミロイドβがシナプスを傷つけた後に集まって来る物質です。
タウが最初に溜まる所は記憶の中枢である海馬だそうです。

そして海馬の委縮が起こり始め、記憶力が低下して症状が現れてくるということです。


ここからはアルツハイマー型認知症にならないための対策です。
 

イギリスではタウをたたくというLMTXという薬が開発され臨床試験をしています。

日本の医療機関(何県の何という病院?施設?だったか書きとめませんでした)では海馬を委縮させない方法を見つけて認知症の発症をくい止めることに成功しました。その方法とは、運動をしながら計算や言葉の記憶をおこなうという方法です。
運動で筋肉が刺激されるとBDBFという成長ホルモンが増えるのですが、神経細胞を使いながら運動をおこなうと、BDBFによってシナプスが活性化するため海馬の委縮が起こらないのだそうです。

そのほかアミロイドβを減少させるガンテネルマブという薬も開発されています。ただしガンテネルマブはアルツハイマー病の発症よりも前に服用することが条件で、なぜなら、アミロイドβはアルツハイマー病発症後は減ってくることがわかっており、病気の進行には関与していないらしいのです。

以前ほかの番組で認知症になりやすい人として、内臓脂肪が多い人、運動不足の人、筋肉量が少ない人、炭水化物ばかり食べる人を挙げていたことがありますが、これらの生活習慣はアミロイドβの増加に関わっているのではないでしょうか。アミロイドβを調べると、認知症以外にも多くの病気の原因物質に挙げられています。

今回の番組ではさらに、良質の睡眠がアミロイドβを減少させると言っていました。
 

以上のようにアルツハイマー病の具体的な予防策がわかると、やはり生活習慣に気を付けることが重要だと改めて思い知らされます。
私は現在休診日の水曜に1時間程度の体操教室に通っていますが、そこで先生が提案してくださる運動がまさに海馬を委縮させないために効果的だと思いました。音楽に合わせて毎回違う動きの運動をするのです。頭を使い汗もかきます。もうこれはやめられません。
睡眠に関しても私はたぶん問題なし。
課題はもう少し有酸素運動の機会を増やすことと食事でしょうか。何しろ夕飯が遅くなってしまうのが不健康。

この番組のおかげで、不安がかなり解消されました。
そして不安を抱かないためにも自分を律する努力の大切さを痛感しました。


 


 


shimizu-shika.info | 2014.01.27

歯周病と全身疾患

 最近ではテレビCMなどで歯磨剤や歯ブラシ、歯間ブラシの類が数多く紹介され、歯周病に対する知識や関心も昔に比べて高まってきていると思われます。患者さんの中には、テレビなどで宣伝していた歯ブラシや歯磨剤・洗口剤を使っているとおっしゃる方もいます。

 しかし、テレビCMで流れる歯周病の症状がかなり進行した、わかりやすい重度の歯周病であることから、自分とは無関係、自分はまだ歯周病ではないと考えている方もまだまだ多く見受けられます。
 中には自然に歯が抜けてしまったとおっしゃる方がいるように、全く痛みを感じずに歯周病が進行した結果、徐々に歯がぐらついていったにも拘らずお食事ができていたことから、ご自分の歯周病の重症度に気づかない方もいます。
 そもそも来たくもない歯科医院にやむを得ず来院される方は、痛みや腫れがあるか、前歯にトラブルがあって見た目に支障をきたした場合が圧倒的に多いのです。その時に初めて歯周病の危険を指摘される患者さんもいます。
 こういうことから歯周病は SILENT DISEASE とも言われています。

 また1年に1度以上の検診に来院されている患者さんでも、しみる症状や痛みがあると「虫歯ではないですか?」と来院されます。
 確かに、本人にはわかりにくい歯間部の歯根の表面にできた虫歯や、以前治療した歯の、治した所との境目の歯質から進行した二次カリエス、あるいは歯質の経年的劣化に伴う亀裂など、歯そのもののトラブルで生じた痛みのこともあります。直ちに治療しなければならない場合もあり、早期発見が功を奏することになります。
 しかし、同じようなしみる症状や痛みが、歯そのものに原因があるのではなく、歯を支えている歯周組織(歯茎や骨)が原因、つまり歯周病の1つの症状だということが結構多くあります。

 歯周病の直接の原因は種々の歯周病菌ですが、歯周病を進行させてしまう因子として、環境(食生活や歯磨きetc.)、生体(全身疾患や唾液の質etc.)、咬合(歯に加わる過剰な力)が挙げられ、歯周病はこの4因子が関係して発病(!)進行していきます。歯周病が生活習慣病の範疇に位置づけられるのもこういうことからです。

 この中の生体因子についてですが、この4因子が絡む歯周病の発生機序からみると、生体因子である全身疾患が歯周病を悪化させているという構図は容易に理解できると思いますが、最近では逆に歯周病があるとある種の全身疾患が悪化することがはっきり解明され、歯周病の危険性が全身にも及ぶことが大きく言われるようになってきました。

 先日放送された「ゲンキの時間」という番組でも、歯周病と全身疾患の関係をわかりやすく説明していました。
 アメリカではFloss or Dieという言葉があるように「フロス(糸ようじ)で歯垢をとらないと死にますよ」と啓蒙しています。必ずしもフロスを使わなければならないわけではありませんが、それだけ口腔清掃が健康に及ぼす影響が大きいということです。
 
 番組では東京医科歯科大学の新田浩先生が、5mm以上の歯周ポケット(歯の周りの歯肉がエナメル質や歯根表面にくっついていなくて歯の周囲で薄い溝となっている所)が数か所あり、歯槽骨(歯を支えている骨)が1/4以上溶けている人は正常な人に比べて心筋梗塞動脈硬化を起こす危険が約3倍高いとおっしゃっていました。
 歯周病菌の1種であるジンジバリス菌は血管の中に入って血液を固めてしまうことがわかっています。

 また以前から、糖尿病の患者さんでは免疫力が低下するため歯周病菌に感染しやすく、血管がもろいため歯周組織が栄養不良で歯周炎が治りにくく、重度歯周病になりやすいことが言われていますが、歯周病もまた糖尿病を悪化させることが明らかになっています。
 歯周病菌が発生する炎症性物質がインスリンの働きを低下させるからです。糖尿病の患者さんでは歯周ポケットが浅くなるとHba1cの値も改善することがわかっています。
 
 そのほか歯周病菌が口腔内に多く存在することで誤嚥性肺炎の危険があることや、妊婦の歯周病は早産低体重児出産を起こしやすいことは以前から言われています。

 このように歯周病は恐ろしいものですが、生活習慣病ですから気を付けていれば高齢になっても歯周病で歯を失うこともなく人生を終えることは可能です。
 けれども歯をきれいに磨いている人でも歯根が長く露出していたり歯(歯茎)の不調を訴える人が少なくないことは臨床で感じています。
 これには睡眠不足やストレスなど、抵抗力の衰えが影響していると思います。こういう時には歯周病から守ってくれる唾液も減少し、くいしばりなどで歯には過剰な力が加わり、血行不良から歯肉などの活性が落ちているため、少ない歯周病菌に対しても負けてしまうのです。
 私が尊敬する安保徹先生は「全ての病はストレスから」とおっしゃっていました。
 きれいにしてるのに歯茎が少し調子悪いなと感じたら、「ああ疲れているんだな、早く寝よう。」とか「気晴らしに〇〇でもしよう。」とかストレス発散に心掛けましょう。眠いのに恐怖心から毎日念入りに歯を磨く必要はないのです。(ただし自分の歯磨きがうまくできているかどうかは歯医者さんで確認してもらってくださいね。)


shimizu-shika.info | 2013.12.08

ドライマウスと味覚異常に昆布茶が効く

少し前になりますが、NHKあさイチで味覚異常を取り上げていました。

昔から舌で感じる味覚には、甘味・酸味・塩味・苦味があると言われていますが、
最近はもう一つ、旨味を感じる受容体(味蕾・・・ミライ)があることが分かって、
旨味を感じなくなると何を食べてもおいしくないということになってしまうのだそうです。
(ちなみに辛味は味蕾でなく痛点で感じるんだそうです。)

番組を観ていたら画面に私の母校の東北大学歯学部の病院が映って、
さらに私が学生だった時に口腔診断科の助手だったと思う笹野先生が、
当時の面影を残したまま箔がついて、教授として登場してきました。
なんでも現在臨床で味覚異常の検査診断をしているのが東北大学病院しかないらしく、
その治療法は薬物療法もありますが、東北大学病院では昆布茶も利用しているということでした。
(同窓会報には載っていなかったと思うけど。)

昆布茶を商品の説明のとおり普通に煎れるとかなりしょっぱいですが、
味覚異常の治療法としては、粉を3分の1くらいの量にしてうすめに煎れます。
それを1日に3回くらい飲むといいといっていたと思います。

また昆布茶を飲むと唾液が増えてドライマウス(口腔乾燥症)も改善されるというのです。
そもそもドライマウスになると舌がヒリヒリしたりして味が分かりにくくなるので、
ドライマウスの改善こそが、味覚異常の改善になるのです。

最近ドライマウスを訴える患者さんが増えました。
一番の原因は大量の薬の服用による副作用だと思います。
また私自身も疲れやストレスで舌がヒリヒリする状態(舌痛症)になります。

昆布茶を試してみましょう。


shimizu-shika.info | 2013.03.29

親知らずからiPS細胞

 今朝見ていた情報番組で、口腔外科などで抜いた親知らずの歯髄(歯の神経といわれるもの)からiPS細胞を作り出す研究を、どこかの大学病院でやっていると報道していた。(岐阜大学?)
 
 抜いて冷凍保存しておいた親知らずから歯髄を取り出して、その細胞をばらばらにするらしいのだが、歯髄は硬い歯の中にあるため細胞が良好な状態で保たれており、骨や神経になiPS細胞にしやすいのではないかという。

 痛みの原因となっていた抜くべき親知らずが、こういう形でお役に立つとは、痛い思いをした患者さんも、医学に貢献できて救われるといったところだろうか?


shimizu-shika.info | 2013.01.08

知らなかった、歯ぎしりの効能

 

11月14日放送の「ためしてガッテン」、ご覧になった方も多いと思いますが、歯ぎしりをすると判っている人には、このままでいいのか、対策を講じるべきかの判断基準の指針がわかる内容になっていました。
自分もブラキサー(歯ぎしりする人)である私にも、なるほどと思える内容でした。

番組では歯ぎしりを3タイプに分けていて、『口破壊型』、『全身破壊型』、『良い歯ぎしり』があるとしていました。

歯ぎしりの様態としては、「カエルの鳴き声様・・・ギリギリ」、「拍子木様・・・カチン」、「獅子舞様・・・カチカチカチカチ」と、音の出ない「くいしばり」、があり、どの様態でも問題とすべきは上下の歯にかかる力の大きさだということです。

つまり、覚醒時に思いっきり噛んだ時に出る力の半分くらい力で噛んでいる歯ぎしりは『良い歯ぎしり』で、それより大きな力(数倍)が無意識下で出てしまう歯ぎしりが『口破壊型』だったり『全身破壊型』だったりするということです。

『口破壊型』では、軽い症状としては知覚過敏が起こりやすく、ひどいものでは歯が欠ける、虫歯になる、歯周病が進行する、さらには歯が真っ二つに割れるなどの症状が起こります。
『全身破壊型』になると、肩凝り、腰痛、ひざ痛、疲れがなかなか取れない、朝起きた時に顎が痛いなどの症状が現れます。

口破壊・全身破壊をやっている人の見分け方は、私たち歯科従事者も臨床で観察している、『骨隆起』(下顎の小臼歯部の歯槽骨の内側によくできる骨の出っ張りや、口腔の天井にあたる上顎の真ん中付近にできる硬い盛りあがり)や、『くさび状欠損』という、歯のエナメル質と歯根の境目にできるえぐれがあることで判ります。

口の中にこのような徴候があり、朝起きた時に歯を噛みしめていたような感覚がある人は要注意です。
以前からたびたびお伝えしていた「くいしばり・噛みしめ」の弊害が、寝ている間の歯ぎしりでも現れるのです。

『良い歯ぎしり』では、歯ぎしり後にゴクンと唾を嚥下するため、唾液の中和作用により、逆流性食道炎(胃酸が食道に逆流する)を防ぎ、さらには、歯ぎしりという行為そのものがストレスの解放になることや、その結果なのか、血圧や血糖値を下げるように作用します。

以前聴いた講演で、「歯ぎしりを起こす引き金になっているのは胃酸らしい」と聞いたことがありますが、人間の体にはすばらしい自己防衛・免疫機能があり、歯ぎしりもその一つなんだと納得しました。

番組でも全ての人が歯ぎしりをしていると言っていましたから、歯ぎしりは本来人間に備わった自然な生理現象なのでしょう。
ただ、歯ぎしりの質で、薬にも害にもなるということなのでしょう。

番組では『良い歯ぎしり』に変えていくための方法として、マウスピースや噛みあわせ治療、矯正などを挙げていました。

歯科医の講演会では、まず初めに暗示療法を試みると言われます。これは、「明日は遅刻できないぞ」と思って寝ると、朝目覚ましが鳴る前に起きてしまう、といったような無意識下の意識みたいなことを期待するもので、まどろんでいる時に「噛みしめないぞ」と思うようにして眠りにつくというものですが、ブラキサーである私も試してはみましたが、はっきり言って確実な効果は期待できませんでした。というより、毎晩念じ続けることができませんでした。

 私の場合は通常はギリギリとうるさいタイプの歯ぎしりですが、たまに右側の歯を強く噛んでいたと朝起きた時感じることがあります。これはまさしく噛みしめです。
口を開いても骨隆起らしいものが見当たらないと安心していましたが、番組で審査していた方法を試して、人差し指で右下の小臼歯の内側の下の方を触ってみると、左下にはないかすかな膨らみが触れました。
以前から気付いていましたが、右の上下の小臼歯には他の歯より深いくさび状欠損があります。
もう30年以上も前に右上の小臼歯を病んだことがあり、それ以来何かにつけて違和感を感じる存在の歯なので噛みしめてしまうのでしょうか?噛みあわせの治療は済んでいると思うのですが・・・。

患者さんには時々作ってさしあげるマウスピースですが、自分でははめて寝る気がせず、私の歯ぎしりはストレス発散のために必須なのだ、なんて、開き直っていましたが、今回の発見で、右の肩凝り・首凝りの一因だったかもしれないと分かり、何とか良い歯ぎしりの方向にもっていきたいと思います。
もう一度暗示療法からやってみますか。

それにしても、しなくて済むならしない方がいいだろうくらいにしか考えていなかった歯ぎしりに様々な効能があるなんて、目から鱗のうれしさと、自分の不勉強さを感じた放送でした。ためしてガッテン、恐るべし!


shimizu-shika.info | 2012.11.21

ワインのこと

先週の土曜日、友人が、「セノバのヴィノスやまざきでワインの試飲をやっているから行く」と言って、仕事終わったら寄らないかと誘われたので行ってみた。
1,000円で、手頃な値段から1本1万円近いものまで5種類のワインが、通常のグラスワインの四分の一くらいの量注がれて、その人のペースで1種類ずつ運ばれてくる。別料金でチーズの盛り合わせなどのおつまみもたのめる。

私は土曜日の夜7時40分からのホークワンのヨガに行くので、運動前ということで、1,000円のコースでなく、1杯いくら(200円から400円)の試飲を1杯だけたのんでおつまみとともに味わった。

1,000円のコースで楽しんでいた友人が、「一口飲んでみなよ」と高いワインも味わせてくれたが、確かに味の差がある。口に含んだ時のとげとげしさが無いような・・・。
お酒を飲むとすぐ赤くなり普段飲み慣れない私には、これがいくら位のどこ産のワインなんて絶対わからない。でもポリフェノール豊富なワインは料理を楽しんむ時や友人たちと会食する時には選択するお酒の候補でもある。

今朝出掛けに観ていた『あさイチ』でワインのことを取り上げていた。
赤ワインの瓶の形がいかり肩なのは渋みの強い(ボルドー産のような)ワインというのは知っていたが、飲む時のグラスの形でも渋みの感じ方が違うとは!
深めの、チューリップ型のようなふっくらしたグラスで飲むと、ワインがグラスの口から水平方向に飛び出し、舌の上にさぁーっと流れるため、口の中の渋みを感じる部分に触れることが少なくなるという。
家で飲む時ワイングラスで飲まないことも多かったが、これでは折角のおいしいワインも全然別物に感じてしまうかもしれない。グラスが洗い難いなんて、主婦感覚で判断してはいけない。

それから最近よくみるスクリュー栓のワイン。あれは安いものではなくて、ワインの味を長期に変えないためには有効なんだとか!コルクににおいがある場合には長期保存でワインににおいが移ってしまうこともあるという。

もうすぐボジョレーヌーボー解禁だ。この知識を活かしてワインを楽しみたい。


shimizu-shika.info | 2012.11.13